私達はもっといろいろなことを知らなければいけない。
たぶん、KGSというアルファベットをみて
それが何か分かる人はほとんどいないだろう。
KGSとは世界屈指のメーカーの日本企業なんです。
今日、帰り道の地下鉄で盲の男性を見かけた。
混雑する車内、電車が発車すると
その男性は肩から提げていたバックのふたをめくった。
そこには鍵盤らしきものがいくつかついており、
彼はその鍵盤を操作することで何かをしている。
実はそれはバックそのものではなく、
昔の肩提げ式携帯電話のような電子機器だったのだ。
生まれて初めて見る機器を思わずじろじろ見てしまったが、
最後までそれをどうやって使うのかがわからず、
そこに書いてあったメーカーのロゴらしき
“KGS”のアルファベットを覚えておくにとどまった。
そして、家に帰ってgoogleで調べてみて
ようやく
あの機器が何だったのかわかった。
盲の方々が文字を読むために
点字という仕組みがあるのだけれど、
最近はパソコンの普及にともない電子上の文字データを
そのまま点字に自動表示する技術が実用化されている。
それがどれだけ画期的かというと、
これまでは盲の方々が文書を読むためには
補助者が印刷された文字を視覚的に見て
一つ一つ手作業でそれを点字として打つ必要があったのだけど、
その技術があれば、電子上の文字データを
直接点字として表示することができるので
盲の方々が読みたいものを補助者の手間なしで
自由に点字として読むことができるわけです。
まぁ、百聞は一見にしかずなので
どうやって活用するかは
こちらをみてください。
俺が地下鉄で見たのは、パソコンか何かから出力して
その機器のメモリに保存していた文書を
その点字表示部分に触れることで読んでいた様子だったわけです。
つーか、すげーと思わない?
俺ひさびさに感動してしまったよ。
この技術ってさ、盲の方々の日々の暮らしの楽しみの幅を
限りなく飛躍的に向上させる可能性を持ってると思うんだよ。
その機器のトップランナーが日本企業なんだよ。
でもさ、そのメーカーの名前どころか
そのような技術が実用化されているということ、
でもその機器が、高い値段がネック(20万円強)で
まだまだ普及していないということは
全くといっていいほど世間には知られていないんだよな。
そういう俺も今日地下鉄で見かけなかったら
一生知らないままだったのかもしれない。
でも、知ることで始まることがある。
私達はもっといろいろなことを知らなければいけない。
彼の両手の指先がしもやけのように赤くなっているのは
たくさんの点字を読んですり減らした証だということも。